西部講堂連絡協議会からのアピール

自分たちの表現の場を創り出そう!
西部講堂の管理運営は私たち自身の手で!

 西部講堂に関心を寄せられる皆さん!
 既に新聞報道などでご存じかもしれませんが、京都大学がいままでにない副学長制を来年度より導入しようとしていることにより、自由な表現活動のための場の一つである西部講堂の在り方に規制が加えられる可能性が出てきました。

seibu.gif 京都大学の西部講堂は、多くの人がすでにご存じのとおり、そこを使う者自身の手によって自主管理、自主運営された場所として、60年代中期より現在まで維持され続けてきました。西部講堂は京大の施設でありながら、そこを実際に使用する劇団、音楽企画者、上映団体、映像作家等々によって、永年管理・運営されてきたのです。西部講堂は誰か管理者が他にいる貸しホールではありません。したがって安易な「レンタル」的な発想では西部講堂を使うことはできません。しかし逆に言えば、「自分たちが表現するための場所は、自分たちで獲得し、管理運営する」という前提を理解する者であれば、誰でも西部講堂連絡協議会に加盟して西部講堂を使うことができます。もちろん京大生であってもかまいませんし、京大生でなくてもかまいません。現在も西部講堂は全ての人に対して開かれています。
このようになったのは、もちろん京大当局の方針によるものではなく、私達、西部講堂連絡協議会(西連協)と、数多くの京大生達などの努力によるものです。

私達は、西部講堂のような自主管理、自主運営による表現の場が確保されることこそが文化にとってあるべき姿だと信じています。西部講堂は、60年代から今日に至るまで、たくさんのその時々での、突出した表現を支えてきました。その証拠に、現代の日本演劇界の主軸をなす演劇人や、世界的に著名な映像作家、映画監督、ミュージシャンには西部講堂を経験している人が何人もいます。
しかし、私達が西部講堂を誇るのはそういった歴史ゆえではなく、現在も、だれからも邪魔をされず好きなように表現ができる場所であるからです。一般のホールでは困難な表現活動ができること、実質的に24時間使えて西部講堂・構内でイベント準備やうち上げなどができることなどは、西部講堂が管理された貸しホールではなくそこを使うものたちによって自主管理された空間だからこそできることです。また、例えば、天皇制についての表現や様々な「倒錯した」性の表現が禁止される社会に私たちは生きています。そういった「反社会的だ!」などといった理由や、「過激な表現には客が入らないから貸さない」といったホール貸し主の意向のような商業・興行的理由によって、私たちの表現が規制されてしまわないためにも、自分たちで場所を管理運営することは不可欠です。そして、西部講堂がそのような場所であったからこそ、その時代時代における幾多の突出した表現・自由な表現を支えることができたのです。
こういった自主管理の場所は世界的にみれば、たくさんあります。ドイツのスクワッター運動と連動した、芸術家達の自主運営の場や、他に、フランスやスイスにも数多くの表現者達の自主運営の場所が存在しています。西部講堂にもいままでに、海外からそういう場所にいる人々が来場し、たくさんの賛辞と共感の声をもらっています。

しかし、今回の副学長制の導入を進めてきた瀬地山教官(現総長特別補佐)は新聞の取材で「新しい組織体制(副学長制)によって、積残してきた課題が解決できる」としたうえで、名指しで、西部講堂をあげているのです。
私達は、問題視される覚えはありません。むしろ西部講堂は、京大の中にありながらもその限界を飛び越えた、誰にでも開かれた、自由な表現の拠点の1つであってきたのです。これは京大にとっては誇るべき場所であるはずです。自由な学問・研究を大切にする校風の、そして地域にも開かれた新しい大学のあるべき姿の、具現化した場所として西部講堂は誇るべき場所であると私達は思っています。

現在京大の内外の多くの団体や個人が、今回の制度改編に反対の声をあげています。7月に20年ぶりに行われた総長との団交には一般市民や西部講堂の観客も含め500人以上が参加して発言しました。私達西連協もこの動きに参加するとともに、9月下旬に予定されている第2回めの総長団交では西部講堂の自主管理を今後も認めさせていくよう主張する予定です。西部講堂に関心を寄せられる皆さんにも、あなたの声を京都大学に対して届けて頂ければうれしく思います。私達、西連協が、責任をもってあなたの声を総長に伝えます。

(宛先:〒606−01 京都市左京区吉田本町 京都大学学生部教養掛
西部講堂連絡協議会 TEL:075−751−9373)

1人1人の行動こそが西部講堂を守り、創り出していく力になるのです。
私達は、いままでと同じように西部講堂で、誰からも管理されない、自分達のリアリティーに立って表現し続けます。
このビラを読んでいるあなたも、西部講堂にきてあなたの表現をしませんか?別に西部講堂にこだわる必要はありません。あなた自身の表現の場を、あなた自身の手で、新しく創り出してください。
お互いそれぞれ、がんばろう!

'97.8.17

西部講堂連絡協議会

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