「自分が安全を感じること」と「公平で、不当な暴力や権力がないこと」とは必ずしも同じではありません

 関西では、例えば「2001年 夏だ!ストップ性暴力キャンペーン」や、「「みんな」にとって、楽しい映画祭にするために」など、「私たち」の内部・運動内部における暴力や差別の問題への取り組みが、少しずつ行われてきました。
 2008年に北海道の洞爺湖でG8サミットが行われました。このサミットに反対する行動が日本でも取り組まれましたが、この時の反G8サミットのキャンプの場(及び、それにいたる準備の過程)でも、同種の取り組みが行われたようです。


 このネットワークの人たちが「セイファースペースについての冊子」を創るということで、2年前にお話を頂いて2つほどテキストを書きました。

  • 「自分が安全を感じること」と「公平で、不当な暴力や権力がないこと」とは必ずしも同じではありません
  • どうすれば役に立つガイドラインを作れるのか

 このうち、【「自分が安全を感じること」と「公平で、不当な暴力や権力がないこと」とは必ずしも同じではありません】を、ウェブ公開します。【どうすれば役に立つガイドラインを作れるのか】は、先日ご連絡をいただき、冊子に掲載していただける事になりましたので、「セイファースペース冊子」の完成まで、しばらくお待ち下さい。


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現にここにある矛盾を顕在化させ イスラエルを自分の位置から批判するために

インパクション表紙

 ずいぶんと昔になりますが、インパクション誌132号(特集「暴力と非暴力の間─複数の場からの9・11以降」2002年発行)に寄稿した文章です。サイトに未掲載でした。

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虐待をうむしくみは「私たち」の内部にもある

 ドメスティック・バイオレンス(DV)のサバイバーのために創られたシェルター内部で、サバイバーに対する虐待が存在する。こう書くと、意外に思う人もいるかもしれない。しかし、本テキストの著者、米国在住のエミ・コヤマさんは、米国のDVシェルターに自身がサバイバーとして滞在した経験から、また他のサバイバーの証言から、さらに自身がDVシェルターで従業員として働いた経験から、シェルター内部での虐待の存在を説得力を持って指摘している。
(書評:『フェミニズムへの不忠~DVシェルターにおけるサバイバーへの虐待~』)
(インパクション139号に掲載 2003年12月)

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たとえそこがどこであっても

「バイセクシュアル」の主張と、パレスチナの国際連帯運動(ISM/International Solidarity Movement)の非暴力直接行動への参加、イスラエルで「No Pride in the Occupation」と掲げる反占領の立場のQueerグループのこと、セクシュアリティーの話と反戦運動について、総合的にまとめて書いた文章です。ここ数年のわたしの活動のまとめのような文章になっています。超長文。英語版もあり。
(2003年9月 イタリアの雑誌「DeriveApprodi」に寄稿したもの)

日本語版
English version

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ブルカは女性差別?

 アフガニスタンのタリバンは、女性に「ブルカ」をかぶることを強制してきた。日本や欧米の一部の人たちは、このことを取り上げて、「タリバンは女性差別的だ」と主張し、人によってはタリバンへの攻撃を正当化する理由にさえしている。
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私たちはジェンダーを擁護する共犯者。制度の外に出る気は始めっからない。

戦時性奴隷制度(従軍慰安婦制度)について書いたチラシに、コラムとして書いたテキストです。以下の一文で始まる、きりっとしまった文章。

「今ここ、目の前に不正がある以上、その不正をただすことによってのみ平和は訪れる。」

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共犯者には、ならないよ!

 政府が設置した「慰安所」という名のレイプセンターに連れてこられで強かんされ続けた元従軍慰安婦たち、その元慰安婦たちが、たった今も日本政府に謝罪を求めている。その声を日本政府は、日本社会は、私たちは、黙殺し続けている。
 元従軍慰安婦の問いかけには応えない、日本がやった戦争の被害者の声を無視する、そんな日本社会のあり方は、元慰安婦に対するセカンドレイプに他ならない。それは、たったも今も、元慰安婦たちが戦争にさらされ続けていることを意味する。今わたしが、本当に「戦争反対」と言うのであれば、「従軍慰安婦問題」正確には「旧日本軍性奴隷制度」のことも考えずにはいられない。
(以下の文章は、2001年3月に書いて、私が出演したライブ会場で配布したものの再掲載です。)

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売買春+セックスワーク

「わいせつ雑誌」をめぐるメーリングリストへの投稿です。標記の問題に特化して書いた文章ではありませんが、売買春についての日比野によるまとまった態度表明になっていますので、特別にここに掲載します。
(初出 [aml 13989] わいせつ雑誌(その2) 99年9月18日)

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わいせつ雑誌って何だろう?

 タイに旅行中に購入したゲイ雑誌(又は男性雑誌)が、帰国時の税関検査で「わいせつ雑誌」とされ、持ち込みができませんでした。そうです。おちんちんが無修正で写っていたので、持ち込むことができなかったのです。日比野はそれに対して異議通告を行いました。「異議通告書」及び資料が掲載されています。
(初出「厳重抗議・処分内容の確定と撤回/謝罪の要求、および異議通告書」 99年8月18日)

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