パレードには、実行委員会のあり方に批判的な人も参加する権利があります。
開かれた、民主的な、多様性のあふれるパレードを、みんなで創ろう!
来る10/22(日)に、大阪で「関西レインボーパレード」が開催されます。
実はこのパレード、実行委員会の立ち上げの過程が閉鎖的で、実行委員会にも誰でも参加できるわけではなかったために、関西のQueerギョーカイの内部では混乱と不信が創られてしまいました。幸いその閉鎖性に対する批判も関西では強く出されたこともあり、現在の実行委員会は条件付きで公開されましたが、その条件も決して民主的なものではありません。またネット上では、事務局長の尾辻さんについても否定的な意見も出されています(必ずしもその全てに私が同意する訳ではありません)。現在のパレードのあり方や進め方についても、私の意見とは異なる部分もあります。
私は、実際に、「公開された第1回実行委員会(10/2)」の場に出向き、実行委員会の出席者と直接意見交換をしました。そして、これまでの経過を含め今回の関西レインボーパレードには多くの問題があるが、パレードが開催される事自体は支持し、よりよいパレードを実現する側にまわるために、パレード実行委員会に参加することにしました。
私がそういう判断に至った理由は、以下の通りです。
- 閉鎖的/非民主的なパレード運営に関して、関西では批判の声も上がり、その結果「来年以降のパレードに関しては、もっと準備期間をおき、より多くの人が関わり、より充実したものになるよう努力したいと考えています」という見解を公式に引き出すことが出来ました。
- 少なくとも、今回のような準備期間のないパレードや、閉鎖的な実行委員会のあり方は「最も良いものではない」というレベルでの共通認識は、一定あるように見受けられました。なので「来年以降のパレードに関しては、もっと準備期間をおき、より多くの人が関わり、より充実したものになるよう努力したいと考えています」という見解は、単なる時間稼ぎのための方便だと決めつけることは出来ないと判断しました。
- 実行委員会の場では、実行委員会への参加にあたっての前提条件自体の非民主性(実行委員会の中に序列を創るなど)の問題点を指摘して数時間議論しました。最終的にはその日の実行委員会出席者の多数がこの「前提」を支持もしくはやむを得ず受け入れる意志を明確に示したので、私もこの多数意見を受け入れざるを得ないと判断しました。
(会議自体が公開されていて関心のある人が誰でも参加できる、出された意見が黙殺されるのではなく一定の時間を配分して実際に話し合いが行われる、話し合いはお互いを尊重した誠実なものである、という条件がそろっている場合、丁寧な話し合いの後にその場にいる人たちの多数意見に従ってその場が運営されるということは、話し合いの時間が限られている場合にはやむを得ない側面があると私も思っています。) - 実行委員会の中に少数派として参加することで、まず何より、実行委員会内部での意見の多様性を体現できる。パレード参加者の中だけではなく、実行委員会の内部にも相異なる複数の意見が存在するということは、「多様性の尊重」を唄うパレードにとってもよいことだと思います。
取りあえず今年のパレードが、少しでもより民主的で、様々な立場や考え方の人たち「みんな」が参加できるパレードになるように努力する道を、私は選択しようと思います。(またそうすることが、来年度以降のパレードを誰にでも開かれたものにし、民主的に運営される「みんな」のパレードにしていくためにも、必要だとも判断しました。)
現在関西レインボーパレード実行委員の1人であるひびのは、個人の立場から皆さんに訴えます。関西レインボーパレードに参加しよう!開かれた、民主的な、多様性あふれるパレードを、みんなで創ろう!
そのためには、あなたの力が必要です。特に、今回のパレードの立ち上げ過程を問題に感じたり、現在の実行委員会のあり方に問題を感じるあなたにこそ、ぜひパレードに参加し、パレードの場でも堂々と現在の実行委員会を批判し(チラシの配布や、プラカードの掲示、演説などが出来ます)、そしてその意見を持って実行委員会に参加して欲しいと思います。無責任な噂としてではなく、責任を負ってパレードについての見解を表明することは、それが「今のパレードのあり方」を肯定するものであっても批判するものであっても、いずれも「よりよいパレード」を創ろうとする建設的な努力なのです。「社会の中の多様性」だけでなく、「パレードの中の多様性」をも、私は祝福し実現していきたいと思っています。
様々な意見の人が参加してこそ、関西らしい「みんなの」パレードが出来ます。民主主義とは、棚ぼたで手に入るものではなく、努力して創り上げるものなのです。
繰り返します。あなたがどんな意見を持っていたとしても、ぜひ関西レインボーパレードに参加しましょう!そして、あなたの思いを、パレードの場で躊躇なく表現してください。
(注:実行委員会やパレードのあり方に批判をもつ人が、パレードに参加したりパレードの場で意見を表現すること自体には何の問題がないことは、実行委員会の内部でも確認されていると私は認識しています。なので、そういった趣旨で実行委員会を批判する人がいれば、それは筋違いだと思います)
(注:ひびのは実行委員ですが、この文章は個人の責任で書いています。実行委員会としての見解ではありません)
(注:この文章は、関西レインボーパレードについての私の基本的な立ち位置を明らかにするものです。もっと詳しい見解や、様々なところで議論になっている諸点については、追ってupする予定です)
【オマケ】
G-FRONT関西の機関誌「UP&UP」に掲載された「関西レインボーパレードについて知っていること(るぱん4性)」という記事にも、関西におけるこの間のいきさつの一部が記されています。文章は著者のサイトの掲示板でも読むことが出来ます。
●関西レインボーパレード – るぱん4
http://bbs4.fc2.com/php/e.php/76707/
(2006/10/01付けの書き込みです)
【全体目次】
サヨナラ、おまかせ民主主義~まず関西レインボーパレードから
開かれた、民主的な、多様性のあふれるパレードを、みんなで創ろう!
■ 関西レインボーパレードの何が問題なのか
●閉鎖的な「立ち上げ時の実行委員会」
●パレードは公的なイベント
●実行委員会内部に序列をつくるのは何故?
■ 尾辻かな子さんについて
●政党との関係について
●「大事なことはみんなで決める」
●社会運動の中のダブルスタンダード(二重基準)
●尾辻さんにみんなの意見を伝えて
●意見の不一致は、私たちの豊かさ
■ サヨナラ、おまかせ民主主義~まず「私たちのパレード」から
●声を上げたから実行委員会は公開された
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