「連続ワークショップその2」のお知らせ

 こんにちは。
 2月5日から4週にわたって行われた「連続ワークショップ-その1-」は、大盛況のうちに終わりました。当初は、常連メンバー数人にプラス1〜2人で行うはらづもりだったのですが、プロジェクトPのミーティングに初参加の人たちを含め、結局総勢18人で始めました。セクシュアリティーを語る場として、また、性別・性的指向を問わないミックスの場としてのプロジェクトPに、関心を寄せ期待する人が実はいるんだということを思い知らされました。
 さて、「連続ワークショップ-その2-」を以下のとおり行います。このワークショップも、プロジェクトPに関わっている1人1人が現在考えていることをお互いに知り合い、今後のプロジェクトPの在り方を考えるきっかけとするために行われるものです。これまでプロジェクトPに来られたことのない初めての方でも、興味のある方の参加を歓迎します。また、今後のプロジェクトPの活動の在り方を巡る一番基本的な話し合いの場でもありますので、今後プロジェクトPを積極的につくっていこうという方は、是非ご参加下さい。

連続ワークショップ-その2-
日程とテーマ(予定)
★第1回★5月7日(水)20:00〜
「“女性的なもの”への依存について」
★第2回★5月14日(水)20:00〜
「従軍慰安婦問題について(その2)」
★第3回★5月28日(水)20:00〜
「三つ子の魂百まで」
★第4回★6月4日(水)20:00〜
「いかにして実際に目の前のオヤジをやっつけるか」
★第5回★6月11日(水)20:00〜
「私たちにとってリブとは何か」と、打ち上げ交流会

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■「連続ワークショップ-その2-」に参加を希望される方は、必ず事前に参加の予約申し込みをして下さい。電話・FAX・郵便・E-mailのいずれでもかまいません。締め切りは4月29日(火)です。
■今回の「連続ワークショップ」は、参加した1人1人がちゃんと向き合っていけるものにしたいと思っています。そのために、原則として、全5回のワークショップ全てに通しで参加する意志のある方だけを対象とします。自分の興味のあるテーマのときだけではなく、自分には直接関係ないような話にもちゃんと関わっていくことこそが、立場の違うもの同士がミックスで共存していくためには、大切だと考えるからです。このことを理解された上で、どうしても参加できない日があるなどの方は、必ず事前に下記参加申し込み先にご相談下さい。
■また、この「連続ワークショップ」が開催できるのはプロジェクトPという場があってのことであるという事をふまえ、1人1回のワークショップにつき300円、合計5回通しで1500円のカンパをプロジェクトPにお願いします(第1回目にまとめてお払い下さい)。これは「連続ワークショップ」のときのお菓子代とプロジェクトPの今後の維持運営費にあてます。
(連続ワークショップ-その1-のカンパの残りは今回のProject Pressの発送費にあてられました。)
■日程及びテーマは参加者同士の話し合いによって変更されることもあります。
■ワークショップは夜遅くまで行うこともあります。京都で宿泊されたい方は、あらかじめご相談ください。
■5月17・18日は京大西部講堂において「レズビアン・ゲイ・映画祭」が行われます。また、5月21日はパーティーを行うのでワークショップはお休みです。(日比野の誕生日)
■このワークショップ終了後に、「連続ワークショップ-その3-」を行うかもしれません。詳細については、「連続ワークショップ-その2-」終了後のミーティングにおいて決定します。
■その他詳細は下記参加申し込み先にお問い合わせ下さい。

■参加の予約申し込み先
(--連絡担当者の引っ越しのため記述を削除しました。--)

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なぜ、プロジェクトPが 今回の連続ワークショップを やろうという気になったのか。 (ワークショップの位置づけ)

1:プロジェクトPの現在の状態
   プロジェクトP全体に責任を持つ人が少ない
2:今後プロジェクトPを維持するのか?たたむのか?
   「私たち」は何を望むのか。
   1人1人の関心事とやりたいことを知る
3:枠組みそのものを1から問い直す場を作る
   プロジェクトPや、プロジェクトPがめざしていたものに関心がある人たちと一緒に、「私たち」という枠組みは可能なのか、その「私たち」は何をしたいのか、などを話し合う場を作る。それが今回のワークショップ。
4:連続ワークショップのあとで、プロジェクトPの再構築を行う予定。(任意参加)
   第2期プロジェクトPのたち上げ?

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連続ワークショップのルールについての提案

様々な立場での参加があり得ますが、以下の事項には留意しましょう。

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各ワークショップの内容

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第1回「女性的なものへの依存について」

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第2回「従軍慰安婦問題」

 前回は、従軍慰安婦として連行された人たちの実際の経験についての証言をいくつか読み、そのあと簡単に意見交換しました。
 従軍慰安婦問題については今後何回か連続して取り組んでいきます。前回出された意見で、今後皆で考えていくつもりのものとしては、
・幼児ポルノをどう考えるか。(買春・売春やセックスワークについてどう考えるか。)
・現在の慰安婦たちへの攻撃が、女性やサバイバー(性暴力の被害を受け、その後立ち直って生き続けている人)たちへの見せしめであるということ。(従軍慰安婦問題と私たちの生活・プロジェクトPの活動との関係。)
・レイシズム/民族差別問題の観点から従軍慰安婦問題を考える。
・慰安婦たちの主張ではなく、教科書に掲載するか否かこそが問題になっているという状況こそがセカンドレイプに他ならないということ。(サバイバーのおかれる状況。)
などがあります。第2回目である今回は、サバイバーのおかれる状況について、またレイプ/強姦についてお話しする予定です。(文責:ヒッピー)

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第3回「三つ子の魂百まで」

 私は自分の子供の頃の感覚をとっても大事にしています。
 そのためにアニメや、戦隊ヒーローものや、絵本や、童謡とかいった子供文化に今でもかなり執着しています。男とか、女とか、レンアイなどのオトナの社会に属しているような問題を本能的に拒否し続けているのも、多分、そのせいでしょう。
 そのことについてつきつめると、赤ん坊の頃の感情に行きあたります。人生で一番無力な状態、他者から権力を行使されている時って赤ん坊の頃ですよね。何しろ言葉すらしゃべれないんだから。まあ、それは誰だって同じなのですが、私はそのころからよほど自意識が強かったのか、この恐怖や屈辱を絶対忘れるもんかとずーっと思い続けていました。別に虐待されたとか、醜い扱いを受けた、とかいう訳では全くないのだけれど、最大のトラウマは「写真」でしょうか。これが、今の自分にいかに影響しているか、ということはホントにあきれる程なのですが、ここから始まった私のキョーフ心が、電波とか、SMとか、キ○ガイとか、幼児ポルノとか、人形とかへのこだわりへと一直線上につながっているみたいです。
 --と、ここまで大風呂敷を広げた上でワークショップへとつなぐことにしましょう。97.03.18(坂井はまな)

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第4回「いかにして目の前にいるオヤジをうちのめすか」

 このタイトルで行う予定ですが、発題者であるサイトナが Project Press の原稿を書かずに旅行に行ってしまったため、詳しくかけません。確かこの前のミーティングの日には、「男にみえる(見間違われる)格好で街に遊びにでると、人が自分に気を使うのでおもしろい。」「やっぱり実際に男の人、とくにオヤジの前にでると、おもわず自分で勝手に萎縮してしまい、相手に遠慮してしまう。なぜだろう?」「やっぱりちゃんと1回オヤジを自分で打ちのめさないと自信がつかないな」みたいなことを言っていたような気がします。そんな話をする予定。
(歪曲と文責:ヒッピー)

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第5回「私たちにとってリブとは何か」

 結論からいうと自分が持っている「セパレティズム(分離主義)」「排外主義」と日常的に闘い続けることだと思うんだけど、どうかしら?自分のことだけ、自分に都合のいいこと・人とだけつきあっていきたいっていうのは、まさに、権力者になりたいってことなんじゃないの?

 今の社会の問題は、例えば「多くの人々が同性愛についての知識がない」ことではない。知識の問題でいえば、人は一生、知識が不十分な状態で生き続けることを引き受けるべきだ。それは、ヘテロだけでなく、ホモもバイもレズもだ。「問題」は決してホモフォビアだけではない。ここまでコミュニティーの中で文字として登場してきているけど、いったいぼくを含めてどれだけの人が「トランスセクシュアル」や「半陰陽」についての知識を充分に持ってる?はっきりしている。そんなに他者のことに興味がないのだ。そんな私たちのいったい誰が、「ホモのことなんか興味ない」っていうノンケを非難できるの?
 大切なのは、知識ではなく、自分の目の前に(たまたま)いる人とどれだけちゃんと向き合えるか、ではないだろうか。共存しようという意志。
 「ぼくは、バイセクシュアルのことには興味ないの。じぶんでやって」と言うか「ねえねえ、ぼくバイセクシュアルのことってよくわかんないんだけど、教えてくれない?」と言うか。後者のようなもの言いを可能にするような余裕を1人1人がもてるような状況をどうつくるか。(ここではたまたまぼくが経験した実例--前者はアカーのある1人の言葉。後者はG-FRONT関西のある1人の言葉--についてあげたけど、この「バイセクシュアル」の部分には、あなたの知らない、あなたには直接関係がない、だけどあなたの目の前にたまたま居合わせた誰かにとっては大切な何かが入るのよ。)
 国の役人が、原発や基地をつくろうという大企業の役員が、目の前にいる人の声とちゃんと向き合わず、無視することができるということこそが「権力」であり、だからこそ三里塚闘争などの闘いも生まれる。「強い」「力を持った」場所にいる人は、だからこそ目の前にいる人を無視することは許されない。目の前にいる人とちゃんと付き合うのが面倒なら、その場からも降りる(辞職とか)べきだ。
 そしてまた、自分が何者であるのかを相手がわざわざカムアウトしないと相手のことを考えなくても済むのもまた「権力」。いちいち異議申し立てされないと、相手のことを考えないでも済むことも、「権力」。でもね、いちいちそんなに他人のことを考えてばかりもいられないのよ!私だって楽しみたいもの。だから面倒でもぼくに直接言ってね、お願い!
 まず「バイセクシュアルだけの」「男だけの」「女だけの」「ゲイだけの」「レズビアンだけの」「○○だけの」グループを作ることからはじめる、というやり方は、新たな権力構造をわざわざ1つ、自分でつくることになる。どうしてわざわざ?「○○だけのグループ」の中なら確かに「○○」のこと以外は考えなくてもいい。えっほんと?「○○だけ」なんてホントにあり得るの?
 社会的な要求をする段階どころか、自分を取り戻し自分に自信を持つ過程においてすら、自分と「同じ立場(ステイタス)」の人以外は自分の助けにならなかった--こんな風に思う人が多ければ、当然自分と同じ立場の人しか信用できず、「○○だけのグループ」を作りたがるだろう。そんな風に思わされないで済むような瞬間を・機会を・時間を、少しでも多く創り出し、持つことこそが、私にとってのリブ。わたしも、あなたも、そんな瞬間を・機会を・時間を、を求めていませんか?求めてみませんか?

参考資料◆ベル・フックスの発言
(BELL HOOKS。「怒れる女たち(第三書館)」収録の ANDREA JUNO との対談において。)
・私たちは今、「他の人々を退け、押さえつけない形で、黒人同士が連帯するにはどうしたらいいか?」を話し合うべき歴史的瞬間にいるのよ。「誰かを認めても別の誰かを仲間外れにせずに住む、こんな風に他者を認めるとはどういうことか?」を考える絶好に機会だといってもいいわ。
・あるディナーパーティーで隣に座ろうとした若い白人がいて、その彼女が開口一番「ルームメイトの黒人女性とうまくいかないんです。どうしてあの人がああいう態度をとるか教えてもらえませんか?」って聞いてきたのよ。私、言ってやったわ。「ねえ、--仏教について知りたいことがあると、初対面のお坊さんをつかまえて『お願いです、30分で全てを教えて下さい』なんてこというの?」ってね。
・「自分と違う種類の人とつきあうにはどうしたらいいでしょう?」って聞かれる度に私が引き合いに出すのが、恋をしたときのことなの。…(中略)…「誰かに出会って好きになったらどうするの?相手と親しくなるために何をする?人種の違う相手の場合にどうしてそれを応用できないの?ってね。例えば、私が街であなたを見かけて素敵だと思う。そこでたまたまあなたを知っている誰かがいれば、私はたぶんその人に、「ねえ、私あの人すてきだと思うんだけど、何かあの人のこと知ってる?」って聞く。実際はいろいろと役に立つし必要な場合があるのに--恋愛や友情の世界ではよく使う、この立派な戦術を、政治的に微妙な違いが絡むとすぐ棄ててしまう。
・この社会では、同じ仲間が集まるほうがコミュニティーとしてのまとまりは簡単にできる。だから結局、参加者の8割がゲイでないっていう、そんなゲイの権利運動は想像もできないのよ!

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「連続ワークショップ-その1-」の感想

 悩める“ダメ”な奴の1人として、個人の“ダメ”に対して私はかなり共感してしまうところがあって、甘い態度をとっています。だけど、団結して権力を持った“ダメおやじズ”が、今回のテーマであった従軍慰安婦やインターセックスの問題をややこしくしていることを考えると、こうした態度は改めていかなければと反省することしきりでした。でも、実際、“ダメおやじズ”には、少なくとも私はお手上げ--有効な対処を思いつきません。そして、どうせ年寄りなんて、もうすぐ消えていくんだし、“おやじ”化する前の若いダメ世代にアピールしていくしかないんじゃないかなあ、なんて思ってしまうんですけど、--逃げちゃダメですか?
 とりあえず“少年よシンワになれ!”というコピーがお気に入りの今日この頃です。('97.3.12 坂井はまな)

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