私の知人である「札幌ほっけの会」の宮沢直人さんが、先日10月17日より北海道電力株式会社の前で無期限のハンストをはじめました。雨が降ったりして、また北海道はもう既に冬であるという点からも、きびし〜いハンストのようです。警官の嫌がらせもあるようです。
このハンストは、泊原発3号炉建設のための環境アセスメントの年内実施を選挙のどさくさにまぎれて発表しようとしていた北電に「お願い」をするためのものです。(10/22に正式に北海道電力が環境アセスメントの年内実施を発表してからは、「抗議ハンスト」に変わりました。)詳細は以下の文章を見て下さい。関心のある札幌在住の方、もしよければ彼を激励・支援にいってあげて下さい。宮沢さんは結構「人好き」なのでとても喜ぶと思います。逮捕されていなければ、おそらく、まだ北電本社前にいるはずです。
また、札幌以外に在住の方、激励電報の要請もあります。全国的に注目されているということを示すことは、北電に対する圧力になります。
さらに、今の時代にさらに原発を増設しようとする北海道電力に直接抗議の電話を入れるという方法もあります。(宛先 011-251-1111 北海道電力本社 代表電話)その際に、「北電社長は宮沢さんと会見せよ!」という旨を伝えて頂ければ、うれしく思います。わたしが電話をしたときにも、北電は広報チームの人に私の電話をつないでくれました。直接話すということは北電側も欲していることでもあり、遠慮する必要はありません。「原発設置については住民と話し合って決めていくというのは当然のことです」と北電の人も言っていましたし。
なお、私の友人達が「宮沢直人君を人道支援する全国連絡会」をつくりました。現地のお問い合わせはこちらへどうぞ。
このページの内容
l996年l0月l5日
札幌ほっけの会 宮沢直人
001 札幌市北区麻生町1-3-13 T/F 011-717-4189 札幌ほっけの会
郵振口座02760-2-37400
私のお願いは、以下の人々にあてた次の内容です。
l.北海道電力株式会社泉誠二社長宛
泊原発3号炉環境アセス着手を待ってください。できれば3号炉建設の計画を白紙に
したうえで、全ての情報を公開して将来の電力事業について道民との対話を行ってくだ
さい。
2.堀達也北海道知事宛
北電に対して3号炉環境アセス着手を思いとどまるよう、私といっしょにお願いして
ください。
3.北海道議会議員各位宛
堀知事に事の重大性をしらせ、知事に本気でお願いをするよう説得してください。ま
た住民投票条例制定について真剣に検討してみてください。
4.衆議院議員候補者各位宛
エネルギー問題の重要性を選挙民に訴え、拙速な原発推進の政策がかえって住民の不
安や不信を増大し、この問題に関する国民各層の検討・学習の機会を奪い対話の機運を壊
しかねないことを政策に掲げて選挙戦を闘ってください。また当選のあかつきには、通産
省に対してこれまでの密室の中での原発推進政策を改めさせ、北電に原発建設の圧力をか
けないよう働きかけてください。
5.北海道のすべての住民、さらには世界中の人々宛
北電の泊原発3号炉環境アセスを、すくなくとも住民の十分な討論と意思決定の前に
は行わないよう、あらゆる手段とルートを使って働きかけてください。また私たちの活動
にカンパをお願いします。
以上のお願いは、原発に賛成の人にも原発反対の人にも受け入れていただけるものと確 信しています。大切なのは私たち一人一人の考えと討論と決めたことへの責任なのです。 私はこのお願いが極めて真剣な気持ちと考えにもとずいていることを表現するために、 1996年10月17日より無期限のハンストをもって北電の御決断をお待ちします。
1996年l0月15日
北海道電力株式会社社長 泉誠二様
001 札幌市北区麻生町1-3-13
札幌ほっけの会 宮沢直人
日々電力の安定で安価な供給に務め、将来のエネルギー問題の解決のために努カされてい
ることに深く敬意を表します。
新聞報道によりますと、10月中にも泊原発3号炉のための環境アセス年内着手を発表さ
れるとのことですが、これは本当のことでしょうか。
83年泊原発稼働の際、当時の横路孝弘知事は3号炉の建設は認められないと言明してい
ました。10月1日の道議会での堀知事の答弁によれば、電力問題については学識経験者
や道民の意見を聞く委員会を設置し総合的に検討し慎重に判断しなければならないとし、
環境アセスについても北電が慎重に対処するものと考えているようです。また北海道最大
の労働団体である連合北海道も直民の手で将来のエネルギーを選択するために北海道電源
開発問題検討委員会の設置へ向けて真剣な検討を行っており、連合の渡辺会長が北電は現
状でのアセス実施は見送らざるを得ないとの認識を示していると伝えられています。また
多くの市民団体は学習会の開催や住民の意志をきちんと電力政策に反映できるよう住民投
票の可能性も模索しはじめています。現在、原発賛成反対を問わず各界各層の道民がエネ
ルギー問題・電力問題を自らの問題ととらえ、真剣に討論しはじめようとしていることは
まことに喜ばしいことです。北電としてもこうした道民の自発的な努力は高く評価され、
またそのために貴社がはたされた役割について自負されていることと思います。
ところがこうした機運が出てきているなかで、万がー貴社が3号炉環境アセス着手を発
表されるならぱ、道民の対話への流れに水を差すことになりかねず、またかつてのような
賛成、反対の力の対決を誘発することすら懸念されます。88年泊原発稼働の際の激しい
反対運動やもんじゅの事故や泊原発内での火災の際の住民の不安・不信を忘れないでくだ
さい。過去の対決や不信を乗り越えて建設的な討論と住民の意志決定をつくりだす鍵は貴
社が徹底した情報公開を行うことと拙速な原発推進政策をやめることだと言っても過言で
はありません。
正直言いまして、私はもう結論の見えている原発問題にこれ以上かかわりたくはありま
せん。と言いましても後代に大きな負担となる核のごみやプルトニウムの問題から原子力
時代に生きてしまった人間として今後も逃げることはできないでしょう。本当は日曜大工
でできる風力発電とか人力洗濯機の研究とかを趣昧にしてのんびり生きていきたいもので
す。
1988年、私はl0代20代の若い諸君とともに貴杜に何度も突入しました。そして10
人20人という若者たちがあるいは警察に逮捕されあるいは負傷しました。もし泊3号炉
が貴社の予定どうり2008年に稼働するとすれば、いまは選挙権すらもっていない子供たち
が、そのときには若者らしい義憤にかられ悲痛な覚悟で反対運動に身を投じないとはいえ
ないのです。なぜならそのころには今以上に原発の非合理性や危険性はあきらかになって
いるでしょうから。そのとき私はその若者たちと行動を共にしたいと思っています。貴
任は私たちの世代にあるのですから。どうか彼らにも私にももっと夢のある、たとえば世
界中から国境をなくすような運動をさせてください。
かさねて泊原発3号炉環境アセス着手を断念されることを、心よりお願いいたします。
正式名称:
泊原発3号炉環境アセス着手ちょっと待ったのお願いハンスト中の宮沢直人くんを人道支援する全国連絡会
住所:札幌市中央区南11条西7丁目1-7-911 スペースへなへな内 納豆方
電話/ファックス:011-531-0197
「人道支援ニュースNO.1」が発行されました!
(10.26追加)
1996年10月20日発行
発行者:泊原発3号炉環境アセス着手ちょっと待ったのお願いハンスト中の宮沢直人くんを人道支援する全国連絡会
テキストデータ化協力:saluton@can.bekkoame.or.jp
1996年10月20日
10月14日 北海道電力社長泉誠二氏、北海道知事堀達也氏にお願いの手紙を郵送。
10月15日 北海道内衆議院議員選挙全候補者(60名)に郵送。道内各報道機関に郵送。
10月16日 北海道議会全員(108名)に郵送。
1日目 10月17日(木)
午後0時からハンスト開始。午後3時45分、北電本社前に到着。午後4時に北電本社に入ろうとするも警備員に制止される。警備員のほか玄関には社員が十余名待機し、全く予期せぬ異常な警戎ぶりだった。宮沢氏は、玄関前で、「先にお送りしたお願いの手紙のお返事を社長にお伺いしたい」と丁寧に話をするが、北電側は全く無視。宮沢氏は地にひざまづき、「どうか、道民の十分な議論なし環境アセスメントに着手するの止めてください。お願いします」と土下座した。その時彼は涙を流していた。あまり芝居のできるような人ではないので、おそらく本心から泣いていたのだろう。彼とはいろいろ意見の合わないところもあるが、彼の一途な気持ちには心を打たれた。新聞記者が北電に入り何か話しをしたのか、後になって広報担当者が出てきて一応形式的な対応を行ったが、それほ誠実なものではなかった。その後中央署の刑事らしき4名が来てクレームをつける。「警察の腕章を付けてらっしやいますが、警察の方ですか?警察の方なら名前を教えて下さい」と宮沢氏ほ言うが無視して立ち去る。彼等はその後しばらく近くの陰で何やら相談。その後2名の制服警官が支援の会のメンバーの車にやってきて「通報があったので移動させてもらえますか」と免許証の提示を求める。誰の通報なのか考えるのも野暮だが、他にも多くの車がいつも駐車しているのに、なんとも、わかりやすいいやがらせだ。この日の街頭カンパ 12,817円
2日目10月18日(金)
毎日3回(朝の開店時、昼休み、夕方閉店前に土下座してお願いを続る。天候が不安定、断続的に雨がふる。ひさしもなく、テントも張れないので、雨カッパを着、地面から熟を奪われないように、二条市場から発泡スチロールの箱の蓋を4枚もらってくる。寝袋を3枚用意したが雨のため使えず、それらを透明のごみ袋にいれクッションがわりに使う。ビニールシートを掛けているが、それでも雨に濡れる。かなり消耗しているはずだ。熱いポットに入った沖縄茶のさし入れ。本当にあったかい。夜になっても雨は降り続く。
3日目10月19日(土)
今日も雨。支援者のほうが咋日少し雨に濡れたため風邪をひく。翌日の投票のため車の手配の打ち合わせ。ずっと降り続く雨に宮沢氏の体が心配。深夜3時に北電前を訪れる。地べたにごろんと寝ている。体にはビニールシートがかかっていて濡れている。頭の上に傘をさしかろうして顔に雨がかからない状態で寝ている。ごそごそしていると彼を起こしてしまったが、彼はにこりと微笑んだ。
4日目 10月20(日)
今日も晴れたり雨が降ったりと不安定な天気。3日連続の雨にかなりの消耗が感じられる。宮沢氏の顔が赤く火照っている。少しだが頭痛もあるようだ。高校生2人が足を止め、カンパを入れていく。午後から衆議院議員選挙投票の為、一且、自宅に戻り投票所へ。タ方、土砂降りの大雨。北電前に戻りお願いを続ける。
沖縄の基地問通や原発問題(巻町等)で住民投票をすることに対して,「議会制民主主義の否定」だとかなんとかよく言われているが、今回の選挙で、沖縄や原発を政策争点として打ち出している候補者、政党がどれ程いるのか。「民主主義」の立場から見れば「住民投票はダメだ」と言っている連中の発言がいかにダメかがよくわかる。
5日目 10月21日(月)
やっと昼間は暖かく感じられるまでの天気になった。だが秋の札幌の夜はとても冷える。これだけ気温の差が激しいとハンストしている身にはかなりつらいはずだ。何とか早くいろいろな人に彼の行動が伝わるようにとニュースを発送したり知人へTELしたりする。しかし発送の方が思うように進まず、手伝ってくれた人たちと徹夜で作業する。今日は宮沢の様子は電話を通してしかわからないが、一日一日と消耗しているのが声だけでも伝わる。
6日目 10月22日(火)
10:00 a.m. 北電がアセス着手を正式表明し宮沢氏のハンストも”お願い”から”抗議”へと変わる。北電へ電話で抗議してほしいことをいろんな人に伝えたいとの本人の希望で、あちらこちらに電話をかけまくる。
鳴り物を持ってきて元気にアセス着手の抗議をする人が数名北電前に来た。
十余名ほどの警官たちに囲まれる。彼が抗議に切り変えた際に広げた”泊原発いらない”と”ハンスト決行中”の幕が通行人にじゃまだというのだ。立ち上がるのも大変になってきた宮沢氏へしょうもないクレームを付ける警官たち。端から見ると奇妙に見えた。結局警官自身が幕をたたんで宮沢氏へつきかえしてきた。その様子を十余名の社員が玄関で見ている。
7日目 10月23日(水)
朝、晴れていると、とりあえず安心できる。しかし北電の前に来てみて気づいたのだが、アスファルトの照り返しがきついのだ。
まだ発送が終わらず支援者側も疲れがでてくる。京都から宮沢氏へ励ましのレタックスが届く。本人への激励うれしく感じた。宮沢氏もいよいよトイレに行くのもつらそうだ。不安になる。
「北電気付」にとは、宮沢本人の要望。宮沢氏を応援するとともに北電にも庄カがかけられる(?)というアイデア。万が一北電が受け取り拒否をした場合はお手数ですが下記にFAX‐お手紙をお願いします。
FAX:011(531)0197、住所 〒064 札幌市中央区南11条西7丁目朝日レジデンス911号 納豆方宮沢直人宛
賛同金 個人一口2,000円
団体一口5,000円 です。
*人道支援・カンパのお願い宮沢氏のハンストは真冬なみの寒さと、風、雨天の中、屋根も、テントもない吹き.・さらしの中で行われています。また、無期限ということでいいつになるにせよハンスト終了後には心身共に衰弱した状態になると思われます。ハンスト後から数ケ月間は、体力が回復せず、仕事もできないと思います。500円でも1000円でもいいです。その間の彼の生活費、医療費等を人道的見地から支えてやって下さい、あなたの気持で結構ですでけっこうです。お額いします。
支援賛同金、人道支緩、カンパは「札幌ほっけの会 02760-2-37400」に郵使局で振り込んで下ざい。
ハンスト写真集(10.26追加)
写真をクリックすると大きな写真をみることができます。
北電本社前の宮沢さん | |
北電にお願いする宮沢さん | |
お話ししている宮沢さん | |
寝顔が素敵な宮沢さん |