「盗聴法の廃止を求める市民団体共同声明」に
プロジェクトPが賛同

 

 「性的少数者が集まるサークル等の活動においては、参加者や、問い合わせなどの接触をしてくれる人たちのプライバシーを守ることがとても重要なこと」という観点から、「レズビアン?ゲイ?バイ?ヘテロ?......?生と性はなんでもありよ!の会 プロジェクトP」が、「盗聴法の廃止を求める市民団体共同声明」に賛同しました。
 プロジェクトPとしてのミーティングは最近は開かれていないのですが、関係者に個別に連絡を取り合い、プロジェクトPとして名前を出すことにしました。少し強引かな?という気もしますが、性的少数者の問題を扱う立場から盗聴法の反対をいうことの重要性という点で、日比野としてはプロジェクトPとしての賛同を試みた経緯があります。
 以下は、amlというメーリングリストでなされた声明の呼びかけ、プロジェクトPが賛同にあたって付したコメントです。

 

To: aml@jca.apc.org, censor@jca.apc.org, pmn@jca.apc.org, privacy@jca.apc.org
Subject: [aml 14176] 盗聴法廃止共同声明のお願い
From: toshimaru ogura <ogr@nsknet.or.jp>
Date: Sat, 02 Oct 1999 00:50:27 +0900
Sender: owner-aml@jca.ax.apc.org
Reply-To: aml@jca.ax.apc.org

こんにちは。小倉です。マルチポストで重複して受け取られる方には申し訳ありません。
盗聴法は成立しましたが、私たちは全くメゲてません。闘いは続いています。手始めに
盗聴法を廃止する共同声明の運動を開始しました。下記がそのお願いと声明文です。是
非お読みいただき、ご賛同をお願いします。
e-mailの問い合わせは
priv-ec@jca.apc.org
です。

===================================

          全国の市民グループの皆さんへ

     「盗聴法の廃止を求める市民団体共同声明」賛同のお願い

隠されていた神奈川県警による不祥事が発覚しました。このことが、国会会期中に
きちんと市民の前にあきらかにされていれば、自自公は盗聴法の強行採決に踏み切る
ことはおそらく出来なかったでしょう。押収ネガフィルムをネタに女子大生に交際を
迫る警察官。それを隠蔽する上司。こんな警察に、「通信傍受法」(つまり合法的に
警察が盗聴する法)という権限を与えていいのでしょうか? しかし「自自公」のル
ール無視の国会運営によって「盗聴法」を含む「組織的犯罪対策関連法案」は成立し
ました。施行は来年8月です。不信だらけの警察体質に加え、この法案は、法律的に
も、技術的にも手続き的にも、違憲・違法性が高い欠陥法案と指摘され、世論調査で
も過半数の反対がありました。警察に覗かれながらの萎縮した市民運動など、誰が望
むでしょうか。

隣国の韓国では、国民全員がIDカードを携帯するという法案が一旦は成立しまし
た。しかし市民による反対運動は継続され、その後の総選挙で同法の廃止を公約に掲
げる金大中政権が発足し、この法律は廃止となりました。わたしたちもこの例になら
い、施行までの残された期間をあきらめることなく、あらゆる考えられる手段を駆使
してこの法律の「廃止」という、とほうもなく大きな目標に取り組むことにしました。
「法案成立で反対運動も終わり」という従来の運動を、この「盗聴法廃止運動」で乗
り越えようと、今までネットワークを組み、共に運動してきた国会議員、弁護士、イ
ンターネット関係者、労組で確認しあいました。今まで以上に、より生き生きとした
創造的な市民の活動が、21世紀に向けて必要とされています。盗聴法による、息苦し
い警察管理社会の到来などごめんです。日本でも「総選挙」は間近と言われます。そ
こで、盗聴法が大きな争点となるよう、この「共同声明」を広げ、議員やマスコミに
突きつけ、街角で、集会で配布し、多くの市民に、なぜ「盗聴法廃止」なのかをつた
え、協力の輪をひろげたいと思います。

全国の市民グループのみなさんの賛同を心から呼びかけます。

======================================================(「市民団体共同声明」)

        盗聴法(組織的犯罪対策法)の廃止を求める
             市民団体共同声明

第145国会の最終日の前日8月12日の参議院本会議において、盗聴法をはじめと
する「組織的犯罪対策三法」が可決成立したことになっています。しかし私たちはそ
れを認めることはできません。

盗聴法は法務委員会で可決されていません
 8月9日の法務委員会において、可決されたことを前提として、本会議の採決がさ
れたのですが、この9日の法務委員会では、民主党の円より子議員が、総理大臣をは
じめとする全大臣出席の総括質疑を求めたのに対して、委員長が後刻理事会で協議す
ると答えた直後、突然自民党委員が立ち上がり「委員長」と言っただけで、何を採決
するのか不明のまま、委員長は「挙手を願います」と言い、挙手の数を確認もせず、
退場してしまったのです。これで、委員会で採決されたと言えるのでしょうか。NO
であることは、誰が考えても明らかなことです。

盗聴法は憲法に違反し、国民の半数以上が反対しています 
 この盗聴法は、通信の秘密を侵してはならないとする憲法第21条に違反し、合法
的に警察による盗聴を許す法律です。これは市民の自由な発言を封じ、プライバシ−
を侵害し、人権をないがしろにするものであるとして、日弁連、ペンクラブ、刑法・
憲法学者そして一般市民などからの反対の声が広がっています。世論調査でも市民の
半数以上が反対しています。

施行上の問題点が多数残る欠陥法です 
 参議院法務委員会での審議の中では、つぎつぎとこの法律の問題点が明らかになり
ました。電子メ−ルなどインタ−ネットによる通信ではその構造上、無関係の通信に
盗聴が及び、FAXも盗聴範囲を限ることはできません。インタ−ネットのプロバイ
ダ−によっては立会人の協力の困難さ、また暗号の解読はむつかしい、携帯電話の盗
聴は困難であるなど、技術的ないくつもの法律の欠陥が指摘されました。これらにつ
いては、与党側推薦の、参考人や公聴会意見陳述人によっても提起されていますが、
法務大臣はじめ担当関係者からは、明快な回答が得られないままです。これだけでも
欠陥法といわざるをえません。また同委員会においては、盗聴法については審議が始
まっていましたが、他の2法「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制などに関する
法律」や「刑事訴訟法の一部を改正する法律」はほとんど審議されていません。そし
て交通情報通信委員会などとも密接な関係があるとして、連合審査の要求が出ている
ことに対してもなんら対応しないままです。

盗聴を警察に許すことはできません。
 盗聴法が可決されるのを待っていたかのように、神奈川県警の不祥事が次々に明ら
かになりました。そのひとつに、押収したネガフィルムをネタに、女子大生に交際を
迫ったということがあります。しかもそれを県警の組織ぐるみで隠蔽しようとしてい
たのです。盗聴法は、警察官が盗聴で知った事実の秘密を守ることが大前提となって
います。ところが上記のようなことをやる警察に、盗聴を許せばどのようなことが起
こるかわかりません。神奈川県警はこればかりでなく、緒方靖夫議員宅(当時共産党
国際部長)の盗聴事件についても、裁判所で確定した判決で明らかになっているにも
かかわらず、いまだにその事実を認めていません。私たちはこのような警察組織に個
人の秘密を握られるような権限を与えることはできません。

自自公の横暴な国会運営を黙って見過ごすことはできません。
 このような状況の中で、本法案を採決に持ち込むことに、私たちは強く反対してき
ました。ところが左記のように委員会での正当な採決が行われないまま、「可決し
た」ことにして、本会議に提出し、これまた、自民・自由・公明の数合わせだけで可
決してしまいました。民主主義を踏みにじり、議会の正常な運営ル−ルを全く無視し
た国会のありようを私たちは絶対に許すことはできません。私たちは、どんな法律で
も国会を通過したらそれで終わり、もうどうしようもないという立場にはたちませ
ん。違憲・違法の悪法は廃止させるべきです。組織的犯罪対策法を廃止し、市民の人
権とプライバシ−の確立をめざして、私たちはたたかいます。


==============================================================(「実施要綱」)

      盗聴法の廃止を求める市民団体共同声明
          賛同呼びかけ 実施要綱

 《「共同声明」の目的とあつかい》
  この共同声明は団体を対象にしたものです。できるだけたくさんのグループ、
 団体の賛同を得たいと思います。
  声明の趣旨に賛同される個人の方は市民団体共同声明完成後の配布の段階で
 ご協力ください。


 この「共同声明」の裏面に賛同する市民団体一覧を掲載し、マスコミに発表すると
 ともに、各市民団体の協力のもと、全国津々浦々で大量に配布する予定です。国会
 に盗聴法の廃止を求めるためにも活用します。

 《賛同締切り》
  賛同受け付けの第一次集約は、1999年10月末日とさせていただきます。

 《賛同集約先》
  共同声明」に賛同される団体は、お手数ですが下記に必要事項を記入の上、
 FAXにて「日本消費者連盟」までお送りください。

 賛同送付先:「日本消費者連盟」 FAX03-3715-9378
 E−メールでの賛同送付先は priv-ec@jca.apc.org です。

 「共同声明」への賛同団体を募っておりますが、この呼びかけ文を受け取られた方
 で、他にも賛同してくださる団体をご存じでしたら、ぜひ呼びかけをお願いいたし
 ます。

 ※この「呼びかけ文」は複数の団体から発送しておりますので、重複して届くかも
 しれませんが、その場合はご容赦ください。

 《呼びかけ団体》
  日本消費者連盟
  婦人民主クラブ
  JCA-NET セキュリティ委員会
  市民の意見30の会・東京
  ピースネットニュース
  日本婦人会議
  週刊金曜日
  関西共同行動
  (財)日本キリスト教婦人矯風会
  日本山妙法寺
  高圧線問題全国ネットワーク(ガウスネット)
  許すな! 憲法改悪・市民連絡会
  神戸・子どもの人権と健康を考える会
  すべての基地にNO!を ファイト神奈川
  ピースサイクル神奈川ネットワーク
  沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック
  日本カトリック正義と平和協議会
  原子力資料情報室
  全国自然保護連合
  たんぽぽ舎

──────────────────────────────────────

       盗聴法の廃止を求める市民団体共同声明に賛同します。

 団体名:

 住 所:〒

 電話:         FAX:         Eメール:

 

「盗聴法の廃止を求める市民団体共同声明」賛同にあたって

 性的少数者が集まるサークル等の活動においては、参加者や、問い合わせなどの接触をしてくれる人たちのプライバシーを守ることがとても重要なことです。特に、自分の性の在り方(例えば性指向や性別/性自認など)や職業などが親や友人や職場などにばれる/ばらされること(アウティングされること)を防ぐために、普段自分が使っている名前や、戸籍・外国人登録上の名前などを隠して、匿名でサークルに参加したり、問い合わせをしたりする人は、現在でも多数存在しています。これは、場合によっては、アウティング(前述)によってその人の生活が破壊されることすらあり得るという今の社会の状況にその理由があります。そういったもっとも厳しい状況の中を生き抜いている性的少数者が、仲間と出会い、自信を付けていくその第一歩が、匿名での電話や、E-mailによる問い合わせであったりするのです。 以前に札幌において、性指向のアウティングを恫喝にした捜査が警察によってなされ、札幌のゲイシーンに多大な損害を与えたという事例を私たちは聞いております。警察による電話やFAXやインターネットの盗聴を合法化する盗聴法は、匿名性やプライバシーの尊重を不可欠としている性的少数者の様々な活動に対して、致命的なダメージを与えかねないと、私たちは考えざるを得ません。
 以上の理由により、「盗聴法の廃止を求める市民団体共同声明」に賛同させていただきます。

補足
市民団体共同声明の中の「盗聴法は憲法に違反し、国民の半数以上が反対しています」の一文は、もし可能なのであれば、「盗聴法は憲法に違反し、市民の半数以上が反対しています」に改訂していただけないでしょうか?盗聴法に基づいた盗聴をされる対象にもなり、日本政府に税金をとられているにも関わらず一切の政治的権利を剥奪されたままでいる日本国籍を持たない定住外国人は、「国民」ではありません。しかし盗聴法に対する反対の世論が大きいということに言及する際に、わざわざ定住外国人を除外した表現を使うということに、積極的な意味は全くないと考えるからです。お手数をおかけしますが、もし可能であればご検討いただけると幸いです。


1999年10月30日

レズビアン?ゲイ?バイ?ヘテロ?...?生と性はなんでもありよ!の会
プロジェクトP

住所 (住所が変わったので記述を削除しました)
tel/fax (番号が変わったので記述を削除しました)
E-mail  (アドレスが変わったので記述を削除しました)
連絡担当者 日比野 真

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