「在日大韓基督教会における同性愛者差別事件に抗議する集会」が9月25日に行われました。OGCの平野さん、アカーのメンバーなどの顔もありました。この集会に際して、ゲイフロント関西からの連帯のアピールをしました。以下に、集会の案内、主催者による差別事件についての事実経過、ゲイフロント関西としてのアピール文、を掲載します。
キリスト教関係の団体はどうも私にもその組織の間の関係が分かりにくいのですが、差別行為をしたのは在日大韓基督教会の「青年局」であって、同じ在日大韓基督教会の中でも「青年会全国協議会」はNCC関西青年協議会と協力して同性愛者差別に抗議を行っています。
この件についてご関心のある方は、NCC関西青年協議会までお問い合わせ下さい。
(ゲイフロント関西「UP&UP」投稿を手直ししました。)
〜ご参加と連帯アピール、ご賛同のお願い〜
日時:9月25日(土)午後7時より
場所:KCC会館4階会議室(大阪市生野区中川2丁目)
主催:NCC(日本キリスト教協議会)関西青年協議会
本集会の趣旨
教派を越えてキリスト教青年が集い、社会的活動を行う場として、約20年営んできましたNCCY関西は現在、厳しい決意の下に、教会、社会に広く巣食う同性愛者差別と闘っています。
私たちは、仲間の一人に対してなされた在日大韓基督教会における同性愛者差別事件(事件の経過などは別記)を巡っての、本人の血を吐くような叫びを通して初めて、同性愛者が現在置かれている、地域社会、教室、教会の至る所で、その存在や人格を認められず、公然と蔑まれ、生きることを阻まれている状況に気付かされました。
そして遅きに失したことを悔いながらも、彼(女)らと共に闘い、彼(女)らが自由に生きられる教会・社会の実現に全力を尽くすことを決意しました。
現在、事件への抗議行動の開始とともに、分科会・集会・ニュースその他を通じて、 この問題の存在を訴え、広く人々に理解とつながりを求めています。
今回の集会は、上記抗議行動が最初の山場を迎え、厳しい局面にある今、この事件にあらわれた、キリスト教会における同性愛者に対する公然とした排除、人間を人間として扱わない姿勢を、多くの教会を初めとした社会全体の問題として共有していただき、差別を克服するため力をお合わせ願う契機として、呼びかけるものです。
つきましては、幅広い方々のご参加をお願いすると共に、性に関わる差別に取り組んでおられる方々および団体より、現状とそのお取り組みをふまえて、連帯のアピールとご賛同をいただきたくお願いいたします。
今集会では、NCCY関西による事実経過、抗議行動の現状の報告、続いて連帯アピール、今後に向けての意見交換と交流会を予定しています。
期日の迫ったご案内で大変失礼と存じますが、どうぞ、趣旨をご理解下さり、ご参加とご協力のほど、お願いいたします。
<1998年2月1日> 在日大韓基督教会青年会全国協議会(以下、全協)主催『全国聖書講演キャラバン'98』の関西および西南地方会での講師をNCCY事務局長(当時)に依頼した旨、伝道部員より青年局長に報告したところ、その後数回の協議を含め、講師が同性愛者であり、聖書が同性愛を否定しているとの理由による講師の再考、テーマ変更、教会(特に礼拝堂)使用をやめる旨、青年局がコメントした。
< 2月11日 > 青年局主催『第29回 青年指導者研修会』の二日目、主題講演での質疑応答で同席した2名の牧師から「同性愛は聖書に罪だと書かれてある」「悔い改めないといけない」など、その後の分団討議でも「同性愛者を認めるくらいなら私は死ぬ」「人殺しよりも、罪だ」との旨の発言がなされた(発言は後記『事実確認会』で確認中)。この二つの場には、前述のNCCY事務局長が同席していた。
< 7月12日 > 『全国聖書講演キャラバン'98 in関西』が予定通りの講師で行われた。しかし、青年局長を始めとした教会使用の拒否と、内容、講師の変更を迫る動きのために、当日の会場はKCC会館を使用し、西南地方会では講師を変更して行われた。
< 1999年3月26日 > NCCYより在日大韓基督教会総会総会長宛てに、謝罪と事実確認、見解の表明、総会主催の学習会等の開催を要求した『抗議と要望』文、続く4月2日には同様に全協より『要望書』が送られ、二者が連携しての抗議行動を開始。
☆ NCCYによる抗議行動の現状
昨年、上記総会は『抗議と要望』文に対し、何の返答もせぬまま受け取りを拒否し、全協の提出した『要望書』に基づいて行われる「事実確認会」では、驚くべきことに、第2回に至るまで、直接差別発言を向けられた前事務局長の陪席すら拒否しており、NCCYとしては、直接話し合う場さえ持てない状況にあります。
私たちは、9月27日の在日大韓基督教会総会任職員会に向け、総会が、私たちと対等に議論し、事実確認会を開く機関を設けることを、当面の要求としています。
私たちの力不足もあり八方ふさがりの中、幾人かの力強いお支えを受けつつも、激しい重圧と困難の中で抗議行動を行っています。
しかし負けじと、全活動を通しての学習・訴え、11/21のゲイ・シャンソン歌手によるライブ(実行委員募集中)などで取り組みの輪を広げることに努めております。
連絡先: NCC関西青年協議会
06−6973−3715(TEL/FAX)
090−8376−3005(事務局長)
〒537−0024 大阪市東成区中道3−14−15 YMCA 202
NCC関西青年協議会をはじめ、
9月25日の集会に参加されている皆さんへ
「同性愛者である」ということを理由として、公然と、人を排除するという在日大韓基督教会青年局の行動を知り、私たちは驚きと、そして強い怒りを覚えます。と同時に、NCC関西青年協議会を始めとする多くの皆さんが、同性愛者に対するあからさまな差別を見て見ぬ振りをするのではなく、当事者とともに運動しておられることを知り、私たちもとても力づけられました。
私たちゲイ・フロント関西にも、ゲイだけでなく、障害者やトランスジェンダー、レズビアン、バイセクシュアル、ヘテロセクシュアル、そして在日韓国人など様々な性の在り方や生の背景を持った人たちが参加しており、自分とは異なる性の在り方の人と一緒に団体を維持して活動していくことの大変さは骨身にしみております。しかしだからといって、自分とは異なる性の在り方の人を一方的に非難したり排除したり、それどころか当事者同士の対話すら拒否するという在日大韓基督教会の一部メンバーの方々の態度は、人々に悲しみと憎しみを創り出すだけの誤った選択だと思わざるを得ません。
性指向を理由とした差別を禁止する旨を明記した憲法を持つ南アフリカ共和国では、ノーベル平和賞も受賞した有名なキリスト者であるデズモンド・ツツ主教も、同性愛者の権利は「正義の問題だ」と述べ、「どうして同性愛者が耐えている差別と闘わないではいられようか」と発言しています(*1)。長い道のりが必要かもしれませんが、様々な性の在り方が受け入れられ、少数者がないがしろにされない社会の実現に向けて、一歩一歩着実に、それぞれの現場で、お互いにがんばりましょう。
以上をもって連帯のごあいさつに代えさせていただきます。
1999年9月19日
ゲイ・フロント関西運営会議
(住所省略)
tel/fax 06-6302-6124
http://www.kcn.ne.jp/~gid/
E-mail gid@kcn.ne.jp
(*1) 出典:国際レズビアン・ゲイ連盟(ILGA)機関誌「ilga bulletin Issue2/98」
ツツ主教の発言の該当部分
Archbishop Tutu said he could not have fought against the discrimination of apartheit and not also fight against the discrimination which homosexuals endure , even in the church , "which actually is still confused".
(集会当日は「ilga bulletin Issue2/98」の該当ページを添付して配布しました。)