動くゲイとレズビアンの会(occur/アカー)が
東京高裁でも勝訴!

okama.gif 東京都の施設である「府中青年の家」の宿泊利用を巡り、同性愛者であることを理由にアカーの宿泊を東京都が拒否していた事件で、1997年9月16日、東京高裁の矢崎秀一裁判長は、東京都の決定を違法とする判決を行ないました。この「府中青年の家」裁判は、おそらく日本で初めて同性愛者が公然と自らの人権を主張した裁判です。提訴当時のテレビ報道では、アカーの名称を「動くホモとレズの会」(「ホモ」や「レズ」は一般的には蔑称で、アカーはこの蔑称を重要な問題と考える団体であるのに!)などと無意識のうちに言ってしまうそんな社会状況の中で、周りからの支援もほとんどない中、地道に裁判を闘ってこられたアカーの方々に対して、心から敬意を表します。お疲れさまでした。そして、おめでとう。
 今回の判決では単に東京都の違法を指摘するだけではなく、「同性愛についての正確な情報が事件当時なかった」という東京都の主張に対して、「行政当局としては、その職務を行うについて、少数者である同性愛者をも視野に入れた、肌理の細かな配慮が必要であり、同性愛の権利、利益を十分に擁護することが要請されているというべきものであって、無関心であったり知識がないということは公権力の行使に当たる者として許されないことである。」とまで言及しています。
4P.gif  「無関心や無知が許されない」という指摘は、判決では公権力に関わるものについていわれているようですが、考え方としてはそれに限定されるものではないと思います。例えばレズビアン・ゲイのコミュニティーやサークルの中にも、多数者/少数者の問題はあります。この判決は例えば、「サークルの役員としては、その職務を行うについて、レズビアン・ゲイのコミュニティーの中の少数者であるバイセクシュアルやトランスジェンダーをも視野に入れた、肌理の細かな配慮が必要であり、バイセクシュアルやトランスジェンダーの権利、利益を十分に擁護することが要請されているというべきものであって、無関心であったり知識がないということはサークルの中で責任を持つ者として許されないことである。」などのように読み換えられることにも留意したいと思います。思わず自分の方が多数派の側になってしまいコミュニティー内の更なる少数者のことについて鈍感になってしまいかねない、そんな自分に対する戒めとしても、活かしていきたいと思いました。
 みんな、がんばろうね。
日比野 真


関連リンク

bar.gif

back.gif「ニュース」のページに戻る

HIP'sHomePage.gif「HIP's Home Page目次」に戻る