プロジェクトPがパレード実行委員会に意見書を提出
今年8月に実施予定の「第3回レズビアン・ゲイ・パレード」の実行委員会に登録申し込みをするに当たって、「レズビアン?ゲイ?バイ?ヘテロ?……生と性はなんでもありよ!の会 プロジェクトP」は意見書を提出しました。
第3回東京レズビアン・ゲイ・パレード実行委員会 御中
前略
わたしたち「レズビアン?ゲイ?バイ?ヘテロ?……生と性はなんでもありよ!の会 プロジェクトP」は、「ぜひ第3回東京レズビアン・ゲイ・パレードを成功させたい!」という思いから、パレード実行委員会に参加を申し込みます。東京と京都とは遠く離れており、実際の事務その他の作業は現実にはほとんどできないと思うのですが、その分、京都などでの宣伝は積極的にやりたいと考えています。参加の仕方としては、昨年のようにゲイフロント関西と共同でツアーをくむことになるかもしれませんが、まだ詳細は決まっていません。
また、私たちプロジェクトPは決して同性愛者のためだけのグループではありません。ヘテロセクシュアルの人も含んで、様々なセクシュアリティーのものどうしで、しかもお互いが対等な立場で、性に関わることを(性的指向の問題に限定せずに)一緒に考え表現していこうとしています。(プロジェクトPのことをより知っていただくために、資料を同封いたします)そのような立場から独自の意見を提示することによって、より一層パレードの内実を豊かなものにしていけると考えております。他の実行委員のみなさまと、実りある意見交換ができることを楽しみにしています。
というわけで、さっそくですが、まず実行委員会への登録申し込みに当たって「第3回L&Gパレード実行委員会基本方針」および「第3回L&Gパレード実施についての提案」について意見を述べさせていただきます。別紙をご参照ください。
今後ともよろしくお願いします。
草々
1996年4月12日
レズビアン?ゲイ?バイ?ヘテロ?……生と性はなんでもありよ!の会
プロジェクトP
連絡先:(住所が変わったので記述を削除しました)
(tel/fax)(番号が変わったので記述を削除しました)(日比野)
(E-mail) (アドレスが変わったので記述を削除しました)
(1996年4月12日)
「第3回L&Gパレード実行委員会基本方針」および
「第3回L&Gパレード実施についての提案」についての意見
レズビアン?ゲイ?バイ?ヘテロ?……生と性はなんでもありよ!の会
プロジェクトP
連絡先:(住所が変わったので記述を削除しました)
(tel/fax)(番号が変わったので記述を削除しました) (日比野)
(E-mail) (アドレスが変わったので記述を削除しました)
「第3回L&Gパレード実行委員会基本方針(以下、基本方針)」および「第3回L&Gパレード実施についての提案(以下、提案)」にはいくつか問題だと思うところがあり、同意できないところがあります。以下、具体的に述べていきます。
- 実行委員になるための資格要件を作ることは不適切でないか。特に「レズビアン・ゲイ解放運動において一定の活動実績があること(基本方針)」という要件は
(a)活動実績とは何か・誰が判断するのか・その基準はなにか
(b)レズビアン・ゲイ以外の人を無視どころか排除することになる
の2点で問題ではないか。
- 「基本方針」や「提案」では、今回のパレードは「お祭り」ではなく「社会的訴えを行うためのデモンストレーション」であるとされています。しかしパレードの位置づけはあらかじめ決めるのではなく、どういうパレードにするのかこそは出来るだけ多くの人で話し合って決めるべきものであると考 えます。
- 「レズビアン・ゲイの可視的な政治行動(第3回L&Gパレード実行委員会の実行委員登録のお誘い)」のみが前面に打ち出され、
(a)レズビアン・ゲイだけでなく、現在のヘテロ社会に違和感を持つ「レズビアン・ゲイ」以外の様々なセクシュアリティーの、およびそれら相互のネットワークや活動が全国で広がっているという事実認識
(b)そのことを肯定的に捉える視点
を完全に欠落しています。仮にパレード自体の対外的なタイトルは政治的な意味で「レズビアン・ゲイ・パレード」にするとしても、「ヘテロセクシュアル」や「レズビアン・ゲイ」に収斂されない様々な性のあり方が顕在化しつつある昨今においては、そういった性の多様なあり方を肯定的かつ積極的にとらえ、尊重していくことは特に重要だと考えます。「レズビアン・ゲイ」以外のセクシュアルマイノリティーを利用するようなことになるのをさけるためにも、性の多様なあり方を積極的に打ち出していった方がいいと思います。
- それから、「レズビアン・ゲイ・パレード」はみんなのものであるという立場で考えれば、そもそも組織の仕方として
(a)「基本方針」を承認のうえでないと実行委員会への参加申し込みが出来ないのは不適切ではないのか
(b)実行委員には原則的には誰でもなれるべきではないのか。
と考えます。多くの人が集まって討論を重ねていく中でお互いの考え方の違いがはっきりしてきて、その結果として、主張なり打ち出し方が異なるパレードがいくつも開催される、というようなことならあり得ると思いますが、現在の段階ではじめから「基本方針」を前提とするようなやり方は不適当だと考えます。
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