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「ユリイカ」1998年2月号「特集:ポリセクシュアル 性とは何か」(青土社・1998)
バイネタをやる人は必読。トランスジェンダーとバイセクシュアルとの問題領域の交差を指向する人にはたまらない1冊。「XY・男とは何か(筑摩書房)」の訳者・上村くにこさんの「女性にとってバイセクシュアリティーとは?」や、「パブリック・セックス」
の訳者・東玲子さんの「それは、私の"こと"」は、共にお2人がそれぞれ生きてきた中でバイセクシュアルについて考えたり体験したことが「私」を主語にして書かれている貴重な文章。ほかに、ケイト・ボーンスタインの文章「ジェンダー・テロリストとはドラッグ・クイーンや男役のレズ、尼層の格好をしてローラースケートで走っている男たちではない。ジェンダー・テロリストとは、女から男に変わり、人々を真っ向から見据えて通りを歩き始めた性倒錯者ではない。……真のテロリストとは、ジェンダーの擁護者たちである」など、意欲的な文章がたくさん収録されています。(ひびの)
パブリック・セックス―挑発するラディカルな性
(原題 "PUBLIC SEX--The Culture of Radical Sex" パット・カリフィア著・東玲子訳・青土社・1998)
「『パブリック・セックス』は1979年から現在までの、わたしのノンフィクションの大半を収録している。それは性に対する抑圧と検閲制度に怒りを覚え、これまでにない禁じられた方法でオーガズムを探求することを自慢し、(ほかの多くの人々といっしょに)現代のレザー・コミュニティーを築き、また維持していくことに奮闘し、性的なほかの少数派と同盟を組み、そのため独裁的国家や先輩諸姉、または権力ばかり強大でユーモアのセンスのまったくないその他大勢の人々からの怒りを買った15年だった。実に忙しい日々だった」で始まるこの本。SMのセックスのこと、小児性愛の擁護、売春者の権利を擁護し、ポルノへの検閲に反対し、フェミニストで、そして公共の場でのセックス(PUBLIC SEX)やセックス広告を呼びかける.....など、実にラディカルで読みごたえのある人間味あふれる本です。その中の文章「ゲイ、レズビアン、セックス みんな一緒に?(1983)」にはこうあります。 「性指向が、その人のパートナーの性だけで決定されるというのはおかしな話だ。わたしには、誰かがバイセクシュアルだとか、ヘテロセクシュアルだとか、ホモセクシュアルだとか聞かされたからといって、彼女、あるいは彼についてなにもわかったとは思えない」(ひびの)
「アニー・スプリンクルの愛のヴァイブレーション」
(アニー・スプリンクル著・河出書房新社・1996)
楽しいセックスの話が盛りだくさん!読み終わったあとは、気持ちのいいオナニーのあとのような気分になります。アニーさんが「小人を愛する誇りに満ちたバイセクシュアル露出狂」という看板を持ってアメリカ合州国のゲイ・プライド・パレードに参加したときのエッセイも載っている。残念ながら絶版だけど、中古を取り寄せてでも手元に置いておきたい本。(ひびの)
「性別秩序の世界」(細谷実著・マルジュ社・1994)
書き出しが「性別秩序というものは、男/女という性別が参照されたり根拠とされたりすることで構成されている秩序のことです」で始まるこの本、日比野と考え方の基本がとても似ている。アイデンティティーの確立という回路・方法からでなく、性別の二元論・ジェンダーシステム(性別秩序)の在り方を総合的に問題化する中で、たくさんある問題の中の一つとしてホモフォビアも問題化していこうとする姿勢には共感できます。とても読みやすいです。(ひびの)
「310人の性意識---異性愛者ではない女たちのアンケート調査」
(性意識調査グループ編・七つ森書館・1998)
レズビアン、バイセクシュアル、トランスセクシュアル……異性愛者でない「女性」たちの生活、恋愛観・結婚観、性行動などを明らかにするアンケート調査の報告集。バイセクシュアルを含む、個人に対するインタビューも載っている。とても丁寧に編集されている。ただ、FTMトランスセクシュアルを「女」として扱い、MTFトランスセクシュアルを対象から外している点は、私は支持できない。(ひびの)
「アイデンティティーを越えて」
(鄭暎惠・「岩波講座現代社会学15・差別と共生の社会学」に収録・1996)
「同性愛者としてのアイデンティティーの確立」などといったことを考えている人には必読の文章。民族差別と性差別をともに精力的に問題化してきた鄭暎惠さんの文章は、セクシュアルマイノリティーのアイデンティティーや運動を考える際にとても参考になります。本特集「バイセクシュアルはこれまでどのように言及されてきたか」を参照して下さい。(ひびの)
「逃走する文明」「ゲイ・サイエンス」
(浅田彰「逃走論(ちくま文庫)」に収録・1982)
何と17年も前に書かれた文章。本特集「バイセクシュアルはこれまでどのように言及されてきたか」を参照して下さい。(ひびの)
「バイセクシュアルという生き方」
(原題"The Bisexual Option" フリッツ・クライン著・河野貴代美訳・現代書館・1997)
様々な「バイセクシュアル」たちのことが書いてある。(ひびの)
「セクシュアリティをめぐって」(河野貴代美編・新水社・1998)
「ポリセクシュアル・ラヴ--ひとつではない愛のかたち」
(石井達朗著・青弓社・1997)
「知った気でいるあなたのためのセクシュアリティ入門」
(関修・木谷麦子編・夏目書房・2600円)
橘来香さんが「バイセクシュアル」について、書いています。
ただし、関さんの「バイセクシュアル」についての記述(78ページ)には問題もあります。詳しい批判内容は【『バイセクシュアル』への差別から見えるもの】の下の方の「●関さんの文章」をご覧下さい。(ひびの)
「XY 男とは何か」
(E・バタンテール著 上村くにこ・饗庭千代子訳 筑摩書房・2800円)
「男らしさ」と同性関係嫌悪との関係について、詳しい記述があり、とてもいいです。(ひびの)
(ルカさん、もしこのページをお読みでしたら、是非ひびのまで、ご連絡をお願いします!!)
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