関西でのパレードについて みんなで話し合おう!

日比野 真

 

 こんにちは。皆さん、元気に暮らしてますか?
 来る5月20日に、関西でのセクシュアルマイノリティーのパレードについての公開の誰でも参加できる話し合いが行われます。「呼びかけ人」は別記の通り(池田久美子・石井香里・打越幸雄・加藤益隆・暮石一浩・後藤至功・服部耕一郎(敬称略))ですが、この集まりには「誰でも」対等な形で参加できることが打越さん(「呼びかけ人」の1人)により確認されています。
 パレードというと、セクシュアルマイノリティーのコミュニティーでは「みんなが参加できるみんなのお祭り」として様々な人が関心を寄せています。自分のこととしてパレードを考える人が本当にたくさんおり、しかもそれぞれの人がイメージするパレードの姿ももしかしたら本当に様々かもしれません。パレードがコミュニティー全体のお祭りであって欲しいからこそ、当事者はとてもたくさんおり、だからこそ、一部の人だけで「こういうパレードをやる!」とあらかじめ決めてしまうのは誤ったやり方です。5月20日の会議では、そもそもパレードをやるのかどうかということから、やるとしたらどういう名称でやるのが一番たくさんの人が参加しやすいか、組織形態はどうするのか、責任者は誰にするのかといったことを、何の前提もない白紙の状態からていねいに話し合っていきましょう。誰でも、いかなる提案もできてすべての提案が対等に扱われる会議にしていきましょう。

一部の人が陰でこそこそものを決めるパレードはごめんだ!

 実は、この5月20日の会議は当初は予定されていたものではありませんでした。この「呼びかけ人」たちが当初に考えていたのは、パレードの名称を「大阪レズビアン&ゲイ・パレード2001」とし実行委員長を池田久美子さんということにあらかじめ決定した上で4月1日付でパレードを呼びかける文章を公開することでした。名称や責任者といった最も基本的で大切なことを「既に決まった前提事項」にした上で、その恣意的な方針にセクシュアルマイノリティーのコミュニティーを一方的に付き合わせようという試みでした。
 別記の呼びかけ文の「呼びかけ人」の名前を見れば分かることですが、7人の「呼びかけ人」のうち3人は現在のゲイ・フロント関西の運営会議メンバー(執行部役員)であり、ここには名前は出ていませんが他にもゲイ・フロント関西の運営会議メンバーがこの試みに関わっていました。その人たちとは毎月の運営会議を始め様々な場所で直接顔を合わせることもあったにも関わらず、実はパレードの話はゲイ・フロント関西の中では一言も出てきていません。具体的には、少なくとも、ゲイ・フロント関西の代表である森田や同運営会議メンバーである日比野には、パレードの話は完全に隠されてきました。バディー6月号の記事を読んで初めてこの話を知り、びっくりした人も多いはずです。しかし、当たり前ですがパレードは少人数でできることでもなく、関心を持っている人も多いため、パレードをやろうという話を秘密裏に進めることなどできるはずがありません。実は日比野も、コミュニティーの様々なルートから情報を入手していました。
 ひどい話です。コミュニティー全体のイベントとして創られるべきパレードを、一部の人たちだけが隠れて集まり大切なことを決めてしまった上で「協力して下さい」というというのは、パレードの私物化であり、間違ったあり方です。東京の第3回レズビアン・ゲイ・パレード(1996年8月)を南定四郎さんを始めとする一部の実行委員が私物化し、ゲイ・フロント関西を含む全国の多くのサークルや個人がそれに抗議した事実を思い出して下さい(**注)。この時も、一部の実行委員が大切なことをあらかじめ決めてしまった上で実行委員を募集しようとし、そのやり方に異議を唱えた京都の団体である「レズビアン?ゲイ?バイ?ヘテロ?......?生と性はなんでもありよ!の会 プロジェクトP」が実行委員会への参加を拒否され、問題となりました。今回の動きは、この第3回レズビアン・ゲイ・パレードの時と全く同じあやまちをおかしています。
 誤ったやり方で呼びかけられるパレードは、コミュニティーの人々の間に不信感を創り出し、「オマエはアイツの味方か、それともオレの味方か」といった、全く意味のない、害悪にしかならない、派閥抗争を引き起こしかねません。そんなパレードに果たして人が集まるのでしょうか。みんなが楽しく一緒に歩くことができるのでしょうか。例えば、4月にはゲイ・フロント関西の総会が行われ、「呼びかけ人」のメンバー3人も参加したのですが、誰1人としてパレードの話をしませんでした。陰で隠れて一部の人だけで勝手にやろうとした後ろめたさがあるからこそ、皆に「パレードやろうよ!」と楽しく積極的に話しかけることすらはばかられているのではないでしょうか。そんな状況で一体どうやって多くのパレード参加者を獲得するのでしょう。
 私は、ともにゲイ・フロント関西を支える仲間であるはずの打越さんに対してこの様な批判を直接伝え、誤ったやり方をとらないように強く要請しました。その結果かどうかは正式には分かりませんが、4月1日に予定されていた池田久美子実行委員長の名義の「大阪レズビアン&ゲイ・パレード2001」の呼びかけは行われず、その変わりに5月20日の話し合いが呼びかけられています。
 一部の人だけでものを決めるという「呼びかけ人」が始めにとろうとしていたやり方を誤りだと正式には認めておらず、池田久美子実行委員長の名義の「大阪レズビアン&ゲイ・パレード2001」がバディー誌上で公然と決定事項として宣伝されている状況下で行われる5月20日の話し合いは、もしかしたら、皆で話し合おうとしているという姿勢を示すだけの単なるアリバイ作りなのかもしれない、という不安が実は完全には私には払拭できないのも事実です。しかし、打越さんに聞いたところでは、この話し合いには誰でも参加でき、一切何の前提事項もなく一から話し合いをする予定だとのことでした。私がいただいた呼びかけ文の一般公開についても問題ないとのことでした。
 皆さんはどう思いますか?
 パレードが行われること自体はうれしいです。というより、様々なセクシュアルマイノリティーがともにパレードをすることができたら、なんと素晴らしいことでしょう。それは私の希望でもあるのです。そこで私も、5月20日の集まりにできるだけ多くの、様々な考えを持った人たちが参加するように、呼びかけることにしました。
 それはもちろん、これまでの経過を見てもらえば分かるように、「呼びかけ人」達の考えるパレードに無条件で賛成するからではありません。関西の地で、様々な人たちが対等に参加できるセクシュアルマイノリティーのパレードが実現するための話し合いの場は、一つでも多くあった方がいいと考えたからです。一部の人たちでものを決めるという「呼びかけ人」達が当初にやろうとしていたやり方が誤りであることを正式にかつ明確に確認し、バディー6月号に掲載された「大阪レズビアン&ゲイ・パレード2001」が何ら決定事項でないということを確認した上で、「私たち」がどんなパレードをできるのかといったことを5月20日には話し合いたいと私は考えて、当日参加し発言する予定です。
 5月20日の集まりを、様々な人がパレードについて自由に意見を言い討論をする対話の場の一つにしようではありませんか!

(**注)詳しくは「第3回レズビアン・ゲイ・パレードを巡るパレード資料集(『レズビアン?ゲイ?バイ?ヘテロ?......?生と性はなんでもありよ!の会 プロジェクトP』発行)」を参照のこと。資料集には、実行委員会の会議の模様、パレード当日の様子、実行委員会とプロジェクトPとがやりとりした文章、「レズのくせに」発言についての署名要求書、各団体の見解など、多くの生の資料が掲載されています。注文は郵便振替口座『01040-1-23095 プロジェクトP』に『パレード資料集希望』と明記して送料込みで700円を入金して下さい。もしくは、 「https://barairo.net/special/3rdParade/」 を参照して下さい。


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