【米国便り7】カストロストリート

 サンフランシスコといえばゲイの街、ゲイの街と言えばカストロストリート。お約束の観光に行ってきました。バス停を降りるといきなりキスしている「ゲイ」カップル(ただし白人)が。あちこちにレインボーフラッグが掲げられ、ある銀行では、カストロストリートの支店で何十年もゲイの人たちに奉仕してきたことを誇りに思う、みたいな趣旨の掲示が店内に大きく掲げてあって、その手のポジティブな雰囲気やメッセージにあふれていました。

私は、いくつかのカードを買ったり、小さなレインボーフラッグを買ったりしました。あと、エコ系というかナチュラル系・スピリチュアル系というか、東洋系の文化が人気になっているのも分かりました。日本の料理とか、仏像とか、禅についての本とか、なんかそんなのも人気。でも、そのアプローチがなんか変です。
 新宿の二丁目も大きなゲイタウンですが、やはりまだ夜の街の印象が強いです。それに比べて、カフェや本屋、雑貨やその他いろんなお店があって、そしてレインボーの旗が出ている感じは、オープンな感じがしました。
 さて実はそのカストロストリート、私はそれなりにわくわくしたのですが、エミさんやそのお友達はまた別のことをいろいろと教えてくれました。例えばこんな感じ。
 「カストロストリートは米国でも有名なところなので、地方からゲイの若い子が出てきたりする。米国ではゲイだからということで勘当されたり家を追い出されることが本当にあるのね。で結局カストロでホームレスになったりする人がいるんだけど、そういう若いゲイのコを、カストロストリートに実際に住んでいる金持ちのゲイが警察とつるんで排除したりしているのね。カストロストリートは、白人の中産階級の、金持ちの街だよ。」
 で、実際行った感じもお話の通り。きれいで中産階級な街でした。私は、困ってしまうのね。私の経験から言っても、エミさんたちの言っていることは全く理解出来るというか、十分想像の範囲内の出来事なの。「ゲイの運動」が一枚岩でないどころか、内部に階級差や人種差別その他いろんな問題があるってことは、まあいつもの話。ホモフォビア(同性関係嫌悪)の話だけしていればいいという話ではない、というのは、言ってみれば私の主張であったりもします。でも、こんなに開けたゲイの街、私はいたことがない。私自身がなんかホッとしてしまう部分があって、やっぱりカストロストリートはうれしかった。それはもちろん、私がカストロストリートでホームレスになることを強いられる人生を歩んでいるのではなく、観光で遊びに行くお金と地位を持っているからなんだけど。とすると、私はその白人中産階級のゲイの側なのね。あら、打倒対象じゃない(笑)。というのはさておき、この共感と違和感が共存する感じは、テルアビブでのプライドマーチに参加した時に似ている。


【米国便りのバックナンバーについて】
・メールグループのwebサイトから読むことが出来ます。
http://groups.yahoo.co.jp/group/barairo510/
・webアクセスが困難な方は、直接ひびのまでお問い合わせ頂ければ直接お送りすることも出来ます。

投稿者 hippie : 2004年8月21日 22:19 | トラックバック
コメント


コメント欄への、新規の書き込みはできません。
ご意見などは、直接、メールなどでお送りください。

USツアー2004 メインに戻る USツアー2004 メインに戻る


サイト案内イベントニュース特集主張/テキスト作品WEB作品WEB店舗グループリンクお問合わせ

ひとつ前に戻る ひとつ前に戻る 「barairo.net」ホームに戻る ホームに戻る

(C) barairo.net / ひびの まこと お問合わせは メールフォーム から